文書作成日:2025/07/01
令和7年分所得税からの基礎控除額の改正内容

[相談]

 私は会社で経理・給与計算を担当しています。
 令和7年度税制改正により、所得税の基礎控除額が変更(引き上げ)となったそうですが、その基礎控除額の改正はどの年分の所得税から適用されるのでしょうか。教えてください。

[回答]

 ご相談の所得税の基礎控除額の改正は、令和7年分以後の所得税について適用されます。なお、この改正による所得税額の精算は、令和7年12月に行う年末調整の際に行うこととされています。詳細は下記解説をご参照ください。

[解説]

1.改正前の所得税の基礎控除額

 令和7年度税制改正前の所得税の基礎控除額は、納税者本人の合計所得金額に応じて、次の表のとおり定められています。

納税者本人の合計所得金額控除額
2,400万円以下48万円
2,400万円超2,450万円以下32万円
2,450万円超2,500万円以下16万円
2,500万円超0円

(注)令和元年分以前の基礎控除額は、納税者本人の合計所得金額にかかわらず、一律38万円です。

[出典]国税庁タックスアンサー「No.1199 基礎控除

2.令和7年度税制改正後の所得税の基礎控除額

 令和7年度税制改正により、上記1.の所得税の基礎控除額については、上記1.の合計所得金額の区分に次の表の区分が追加(5つの区分が追加)され、改正後の基礎控除額は最大で95万円となっています。

3.改正後の基礎控除額の適用時期と源泉徴収事務への影響

 上記2.の改正所得税法は、令和7年12月1日に施行され、令和7年分以後の所得税について適用されます。

 このため、令和7年11月までの給与計算・賞与計算における源泉徴収事務では変更は生じないこととなり、上記2.の基礎控除額の変更による所得税額の精算は、令和7年12月に行う年末調整の際に行うこととされていますので、ご留意ください。

[参考]
所法86、改正所法86、令和7年改正所法附則1、7、改正措法41の16の2など

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。
戻る



令和8年1月1日からの退職所得の源泉徴収票の提出範囲の拡大2025/06/24
確定拠出年金制度の運用指図者期間と退職所得控除額の計算における勤続年数の関係2025/06/17
会社が従業員に支給する資格取得費用は給与課税の対象になるか2025/06/10
食券の支給と給与課税2025/06/03
社員食堂において食事を現物支給したときの所得税非課税限度額の判定方法2025/05/27
生命保険金とともに払戻しを受ける前納保険料の相続税法上の取扱い2025/05/20
国外で購入した貨物を国内の保税地域を経由して国外へ譲渡した場合の消費税の取扱い2025/05/13
入学に際して行う学校への寄附と寄附金控除2025/05/06
合同会社の社員である法人に対して支払う役員報酬に係る所得税の源泉徴収の要否2025/04/29
法人市民税における「寮等」とは2025/04/22
消費税課税売上割合の端数の取扱い2025/04/15
課税売上割合に準ずる割合の適用を受けるための手続きと留意事項2025/04/08
贈与者が贈与した年の中途に死亡した場合の相続時精算課税選択届出書の提出先2025/04/01
取得費加算の特例を相続した暗号資産の売却に適用できるかどうか2025/03/25
会社設立2期目からの事業活動とインボイス発行事業者の登録2025/03/18
会社が負担した従業員の資格取得費用の損金算入時期2025/03/11
不動産所得が赤字の場合における損益通算の特例とは2025/03/04
予定納税額を納めていない場合の確定申告書への記載方法2025/02/25
経営コンサルタントに支払う報酬と所得税の源泉徴収義務2025/02/18
iDeCoにかかる退職所得控除額の調整制度の改正(予定)内容2025/02/11
住宅ローン控除の適用に係る手続における「調書方式」とは2025/02/04
防衛特別法人税(仮称)とは2025/01/28
住宅ローン控除を適用した後に3,000万円特別控除の特例の適用を受けられるか2025/01/21
2度目の住宅購入について、住宅ローン控除を適用することができるのか2025/01/14
特例対象個人とは2025/01/07